WELL-BEING

ありたい自分になるために、実現の道筋を立て継続する|大人のための学びの心得 #5

長島 礼教育学部 准教授

目まぐるしい速さで世の中が変わる今、社会に出てからも学び続けることを意識している方は多いのではないでしょうか。“大人の学び”で得た知見やスキルはキャリアアップだけでなく、これからの日々をより豊かに生きるための糧になるかもしれません。そこで学び続けることを体現する研究者たちに、学びのコツを教えてもらいました。

このコラムでは、自己成長に努めるために、私が普段実践している心の持ちようや工夫についてお話ししたいと思います。

大学教員の仕事は多岐にわたりますが、教育と研究を主とし、学生の成長や学術の進歩に寄与する職業だと考えています。教育活動については、学部や大学院で講義や演習、実習などの形式で学生と対話し、後進の指導にあたります。また、研究活動に関しては、自身の専門分野で研究を行い、論文の執筆や学術会議での発表、研究プロジェクトの立案や実施などに携わります。地域の活動等、自分のフィールドにおいて知見を提供することもあります。このように、大学教員という仕事は、教育と研究を柱に、社会に貢献できるよう日々研鑽を積むことが求められる職業だといえます。職業柄、知識欲や好奇心、探究心の旺盛な人が多く、自分のペースで計画的に物事を進めることに長けている人が多いのではないでしょうか。

さて、私自身も、学生時代に始まり「1年に1つ何かできることを増やしたい」との思いから、年間目標を立てるようになりました。社会人になってからは少し長いスパンで、10年後、5年後、3年後、1年後の自分のありたい姿をイメージしつつ、それを実現させるべく計画を立てています。目標を達成させるために、年単位、月単位、週単位の計画へと落とし込み、微調整しながら遂行していくといったイメージです。

少しプライベートなことになりますが、現在子育て中の私は、仕事から帰ると夕食の準備や子どもたちの習い事の送迎などに追われ、夜は疲れてしまい研究や仕事をする気持ちになれません。そこで、1日がリセットされた翌日の朝に、自分の時間をつくることを習慣づけることにしました。早朝に1時間でも2時間でも、誰にも邪魔されない自分の勉強時間を確保することは、慣れてしまえば爽快で、今はこれが私にとってベストな方法として落ち着いています。もちろん、「言うは易し行うは難し」で、時にはすべてから解放されたい時もありますし、踏ん張らなければならない時があるのも事実です。けれども、そのような時でも、目標を見据えて柔軟に粘り強く継続していくことが大事だと思っています。「継続は力なり」です。それができるかできないか、自分に負けそうになる時にはじっくり自分と向き合い、自問自答しながら自分との戦いを繰り広げています。

Profile

長島 礼(NAGASHIMA Rei)

関西学院大学教育学部 准教授。同志社女子大学学芸学部音楽学科ピアノ専攻卒業、聖和大学大学院教育学研究科幼児教育学専攻にて修士課程を修了。聖和大学の教育学部幼児教育学科の専任講師を経て、2017年より関西学院大学の教育学部教育学科初等教育学コース、2023年より関西学院大学大学院の教育学研究科で指導・研究を行う。著書に『保育者のためのピアノ曲集』(河合楽器製作所・出版部)、『初めて学ぶ教科教育シリーズ 初等音楽科教育』(ミネルヴァ書房)などがある。

運営元:関西学院 広報部

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