新聞と仕事外のコミュニティで、自身の世界を広げる|大人のための学びの心得 #8
岡田 博史法学部 教授
目まぐるしい速さで世の中が変わる今、社会に出てからも学び続けることを意識している方は多いのではないでしょうか。“大人の学び”で得た知見やスキルはキャリアアップだけでなく、これからの日々をより豊かに生きるための糧になるかもしれません。そこで学び続けることを体現する研究者たちに、学びのコツを教えてもらいました。
京都市役所での最初の職場で、新聞の切り抜き担当になったことをきっかけに、全国紙のすべてに目を通すようになりました。今でも、新聞購読は欠かせません。事件や事故などの情報は到達スピードが速いテレビやラジオ、インターネットになりますが、新聞では調査報道や有識者の小論、インタビュー記事、読書案内に注目しています。
個人的に好きなのは各界の著名人の人生を振り返った連載で、朝日新聞「人生の贈りもの」、読売新聞「時代の証言者」、産経新聞「話の肖像画」、日本経済新聞「私の履歴書」です。毎日新聞の夕刊にある「特集ワイド」も、特定のテーマについてのインタビューや詳細な分析があり、目を通しています。
新聞で紹介された本のうち興味を持ったものは、図書館で借りて読むようにしています。読書は小学6年生のときに歴史小説である山岡荘八『徳川家康』にはまって以来、日本史や世界史、中国の思想に興味を持ち、中学時代には論語などの古典を読みました。高校生になると、小説を含むさまざまな分野の本を読むようになりました。以前、国会演説などで『石橋湛山評論集』(松尾尊兊編、岩波書店)が話題になりましたが、これも高校時代に読破しています。
新聞の購読や読書のほかに、積極的に仕事外の付き合いをするようにしています。私は、人生の「豊さ」を享受する上で大切なのは「居場所の多さ」ではないかと考えています。人は、仕事を通じた経験はもちろん、読書や仕事外の活動などを通じて、さまざまな学びを得ることができます。特に、仕事外の付き合いの幅が広ければ広いほど、困難や悩みごとに直面したときにも相談相手を見つけやすく、乗り越えやすいのではないでしょうか。新聞や書籍を読んで知見を広げ、いろいろな人と交流を持つ。そうすることで、学び多き、豊かな人生になると思っています。
Profile
岡田 博史(OKADA Hiroshi)
関西学院大学法学部 教授。1990年京都大学卒業。京都市役所で条例案の審査などに携わった後、2022年4月より現職。専門分野は自治体法務や行政法で、特に自治体による先駆的な条例制定の後押しをする理論の構築を研究。著書に『自治体コンプライアンスの基礎』(有斐閣、2017年)、『空き家対策の実務』(共著、有斐閣、2016年)など。
運営元:関西学院 広報部