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人生の節目でいつも導いてくれた恩師の存在 |人生を豊かにした出会い #16

大和 三重人間福祉学部 社会福祉学科 教授

私たちの人生は出会いにあふれています。みなさんは、どんな出会いが記憶に残っていますか? ここでは「人生を豊かにした出会い」をテーマに、関西学院の研究者のエピソードを紹介します。彼らの出会いや体験から“豊かさ”について考えてみませんか?

私を研究者の道へと導いてくれたのは、恩師である関西学院大学社会学部名誉教授、荒川義子先生です。荒川先生との出会いがなかったら、研究者になろうとは思いもしませんでした。

私が荒川先生に出会ったのは、在学していた神戸女学院大学の学部時代です。アメリカ留学から帰国した荒川先生が着任され、私はゼミの1期生でした。当時の私はESSクラブ(English Speaking Societyクラブ)の活動に夢中で、大学に来ても部室にばかり通っていたので、先生からはあきれられていたんですよ(笑)。でも、私の就職が決まると、先生はとても喜んでくださいました。当時は、卒業したらすぐ結婚する同級生がほとんどでしたから。

男女雇用機会均等法もない時代で、就職先は封建的な雰囲気の会社でした。それでつまらなくなって、2年弱で退職したんです。「会社を辞めて、アメリカに留学しようと思う」と荒川先生に相談しに行くと、すごく喜んで応援してくださって。その足ですぐ一緒に書店へ行き、留学先で必要な専門書を5、6冊選び、買って持たせてくれました。留学中も「ちゃんとやってる?」と何度も手紙を送ってくれたことをよく覚えています。

留学先で高齢者福祉を学んだのも、荒川先生からのアドバイスがきっかけでした。もともと学部時代は、卒論のテーマは児童福祉で実習先も児童相談所だったので、引き続き児童の分野を学ぼうと思っていたんです。でも荒川先生から「留学するなら、これからの時代は高齢者よ」と勧められて、高齢者福祉を専攻することにしました。

ノースカロライナ大学で修士課程を終え、当時はソーシャルワークの博士課程がなかったので、次の進路に悩んでいた時も、荒川先生からのアドバイスで高齢者のレクリエーションを他研究科でさらに学ぶことに決めました。今振り返ってみると、人生の節目節目で荒川先生の助言が効いていますね。

帰国して東京で就職し、その後、神戸に帰ってきた時は、神戸女学院大学から関西学院大学に移られていた荒川先生が声を掛けてくださって、本学の社会学部で非常勤講師を務めるようになり、高齢者福祉の研究を続け、現在に至ります。だから本当に荒川先生のおかげで、研究者・教員としての今があると思っています。

ソーシャルワークは、実践と理論が融合した実学です。研究者・教員として社会福祉に携わる場を与えられたことは、自分にとってすごく幸運だったと思いますし、学生たちと関わることが好きなので、学生との出会いが自分の人生を豊かにしてくれているなと感じます。ですから、この道へと導いてくれた荒川先生は、私の人生そのものを豊かにしてくださった大切な恩師ですね。

Profile

大和 三重(OHWA Mie)

関西学院大学人間福祉学部社会福祉学科教授。神戸女学院大学を卒業後、ノースカロライナ大学大学院の修士課程修了、大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了、博士(国際公共政策)。東京都老人総合研究所助手、神戸女子大学文学部専任講師、関西学院大学社会学部助教授を経て、2010年より関西学院大学人間福祉学部教授。社会福祉士。

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